ブルガリア産ダマスクローズの花から得られるローズ・オットーのエッセンシャルオイル。芳醇で華やかなフローラルな香りは、「エッセンシャルオイルの女王」と称されます
L'Excellence Olfactive
Herba Helveticaが厳選したE.O.B.B.D.品質のエッセンシャルオイルです
| 学名 |
Rosa × damascena |
| 特性成分 |
シトロネロール(citronellol) ゲラニオール(geraniol) ノナデカン(nonadecane)など |
| 栽培抽出地 |
ブルガリア |
| 抽出方法 |
水蒸気蒸留法 |
| 生育条件 |
栽培 |
| 抽出部位・生育段階 |
花 |
| 内容量 |
2mL |
※ 特性成分、栽培抽出地などはロットにより変わる場合があります。
エッセンシャルオイルについて
精油の女王“ローズ・オットー”
Rosa × damascenaは、ダマスクローズとも呼ばれ、ガリカローズ(Rosa gallica)とムスクローズ(Rosa moschata)などの複雑な交配によって生まれたと考えられています。豊かで甘く、優雅な香りは「香りの女王」と称されます。
そして、水蒸気蒸留法によって抽出されたローズ・オットーとも呼ばれるローズのエッセンシャルオイル(精油)は、格別な存在です。その甘く気品あふれる香りは、古くから多くの人々を魅了し続けてきました。
“二段階蒸留”によって丁寧に抽出
エルバエルヴェティカ(Herba Helvetica)のローズは、ブルガリア産のダマスクローズで、その繊細な花びらを、伝統的な「二段階蒸留」によって丁寧に抽出します。
- 1回目の蒸留:まず、夜明け前に手摘みされた大量の花びらを蒸留します。
- 2回目の蒸留:一度目の蒸留で得られた芳香蒸留水(ローズウォーター)には、水に溶けやすい性質を持つ芳香成分や、微量の芳香成分がまだ含まれています。そこで、このローズウォーターを再度蒸留(共留)することで、水中に分散していたこれらの貴重な芳香成分をもう一度気化・凝縮させ、エッセンシャルオイルを抽出します。この工程により、ローズ・オットーならではの深く、そして透明感のある香りが生まれるのです。
液体の宝石とも呼ばれる希少なしずく
ローズの価値を物語るのが、その驚異的な収油率の低さです。収油率はわずか0.02〜0.03%ほど。これは、1gのエッセンシャルオイルを得るために約3,000〜4,000輪、重さにして約4kgもの花びらが必要になる計算です。まさに「液体の宝石」と呼ぶにふさわしい希少性です。
また、水蒸気蒸留で得られたローズには、ステアロプテンと呼ばれる天然のロウ成分が約10〜20%含まれます。これは香りをほとんど持ちませんが、エッセンシャルオイルの品質を保つ役割を担っています。このステアロプテンの性質により、気温が20℃前後を下回ると、エッセンシャルオイルが白く濁ったり、シャーベット状に固まったりすることがあります。これは不純物や劣化ではなく、むしろ水蒸気蒸留法で抽出された高品質なローズの証です。ボトルを手で優しく温めると、すぐに元の美しい液体に戻ります。
香りと成分
華やかさと奥行きを醸成する成分
ローズの香りは、甘く豊潤でありながら、驚くほどクリアでフレッシュな印象を併せ持ちます。
- 主要香気成分:香りの骨格を成すのは、フローラルで甘さのあるシトロネロール(citronellol)やゲラニオール(geraniol)、ネロール(nerol)といったモノテルペンアルコール類です。これらが一体となることで、ローズ特有の華やかでエレガントな香りが生まれます。
- 際立つフレッシュな香り:水蒸気蒸留の過程で、水に溶けやすいフェニルエチルアルコール(生花のバラの香りの中心成分)の多くはローズウォーターに残ります。そのため、溶剤抽出法のローズ・アブソリュートに比べて、ローズ・オットーはよりグリーンでフレッシュな側面が際立ちます。
- 香りの深み:ダマセノン(damascenone)やローズ・オキサイド(rose oxide)といった微量成分が、フルーティーなニュアンスや独特の深みを与え、香りをより複雑で魅力的なものにしています。
品質を確かめるには
時間と共に移ろう香りの変化を感じる
ローズ・オットーの真価は、時間と共に移ろう香りの変化にあります。品質を確かめる際は、ぜひ試香紙(ムエット)を使い、その香りの物語をゆっくりと体験してみてください。
- トップノート:まず、固まっている場合は手のひらで温めて完全に液化させ、試香紙に1滴落とします。最初に香り立つのは、朝露に濡れたバラの蕾を思わせるような、若々しいグリーン調やハーバルな香りです。
- ミドルノート:次第に、花が開くように甘く濃密なフローラルの香りが豊かに広がります。ここが香りの中心であり、ローズの持つ華やかさと気品を最も感じられる部分です。
- ラストノート:最後には、落ち着いた温かみや、蜂蜜を思わせるような甘美な余韻が、肌の上で長く続きます。
トップの香りが極端に軽すぎたり、ミドルの甘さがすぐに消えてしまったりする場合、成分バランスが良くない可能性があります。香りの変化が単調でなく、トップからラストまで美しい層を成して緩やかに移ろいでいくことが、高品質なローズの重要な指標となります。
使い方
気持ちをやさしく整えたいひとときに、香水代わりに用います。ネロリ、野生ラベンダー、真正ラベンダー、ローマンカモミールなどとのブレンドにも適しており、華やかさと深い落ち着きをあわせ持つ香りづくりに役立ちます。
静寂と華やかさが響き合うブレンド ― ローズ × ネロリ × 野生ラベンダー × ローマンカモミール
清潔な容器にエッセンシャルオイルと植物油を入れてよく混ぜ合わせます。手首や耳の後ろに少量を塗り、香りを感じながら深呼吸してみてください。日常の中で気分が揺らぎやすいときや、穏やかな時間を過ごしたいときにおすすめのブレンドです。
香水として
ローズを1滴、植物油1〜2滴にのばして手首やうなじに。香水のようにふわっと広がるフローラルな余韻が、一日をやさしく包みます。
エッセンシャルオイルの特性に関する一部の情報につきましては、法令上の制約により本ウェブサイト上ではご紹介いたしかねます。
アロマテラピーにご関心のある方は、書籍『ファミリーアロマテラピーの手引き』、aromanet-jp.comなどをご参照ください。